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運航管理

船舶管理会社コスモシーランド >> 運航管理

運航管理グループ概要

当社は1998年に船舶を管理する国際規範であるISM Codeに適合した安全管理システムを確立し、会社適合証書(DOC)を取得いたしました。

弊社船舶管理の要素として"保守管理"、"運航管理"、"船員管理" がある中、運航管理グループでは、国際条約や諸規則の法令を遵守し、安全管理システムの保持、運航支援、安全教育、緊急時対応等ソフト面での支援をおこなっております。

管理マニュアル 
~シンプルでわかりやすく、使いやすく~

"シンプル"・"わかりやすい"・"乗組員が使いやすい" をモットーにISM/ISPS Codeに基づき構築した安全管理マニュアル及び保安計画を作成し、以下に対応するべく日々見直しを行っています。

(1)新規則に適合、(2)不適合等に対応、(3)提案事項

船舶や船員の安全・環境保護を目的とし、年々新たな要求・規則が増加していますが、船員の負担が大きくなっている面もあります。

会社が作成した手順やチェックリストを現場でどのように使用しているか、効果はあるのか、本当に必要なのか、使いづらい点はないか、内部監査や訪船活動を通して、運用効果を確認しています。

乗組員の視点に立ち、負担をなるべく増やさず、効率的で安全なマニュアルとなるよう心がけています。

また、マニュアルの内容が変わった場合や新しい規則に対応しなければならない場合等、乗組員の理解を深め、システムを維持していくために訪船活動を通して教育を行っております。

これらの作業を一貫して運航管理グループで行うことで、今何が問題になっており、どのように改善すべきか、現場の声が反映され、真に必要とされる効果的なマニュアル保持ができると考えております。

管理マニュアル

運航支援・安全対策

船舶の環境・特殊性、航路、天候、貨物、港湾情勢、規則、乗組員の練度等あらゆる視点にたって、何がリスクであるか、目先を利かせ、対策を考え、適切なタイミングで船に情報を提供します。
またトラブル発生時に備え、リスクを洗い出し、万全の態勢を整えるよう日頃から心がけています。

今後の課題として、船舶におけるサイバー攻撃リスクを低減するため、マニュアル及び手順の改訂・ガイドラインの取りまとめをおこなっております。

運行支援・安全対策

リスクは下記のように分析し、対策を検討します。

リスクの識別

分析

回避・予防・低減

モニタリング
フィードバック

海上のあらゆるリスクを洗い出し、情報収集をおこなう

それぞれのリスクの事象が起こる可能性、程度、起こった場合の人・船・環境への損害がどのくらいか分析する

リスクをどのように回避・予防・低減できるか検討し、対策をたてる

対策の効果をモニタリングし、結果を評価し、見直し、追加予防策が必要な場合、対策を再検討する

PSCに指摘されるリスク

  • それぞれの国における指摘傾向、その年のトレンドを船級や関係会社より情報収集
  • 管理船の指摘事項を集計し、傾向を分析
  • 毎月公表されている各国の指摘事項集計を各船へ送付
  • 分析をもとに乗組員の不得手、見過ごしやすい項目を定期的に注意喚起
  • 訪船や内部監査にて検査・不具合の是正・乗組員指導
  • PSCの来船しそうな時期に注意喚起をし、再点検を促す
  • 半期毎に指摘事項を集計し、社内にて協議
  • 個船固有の問題でなく、管理船全船に波及する問題・指摘であった場合は対策を検討した上で回覧文書作成・指導
  • 集計結果を管理船へフィードバック

港におけるリスク

  • 保険会社等から回覧される情報(カーゴクレーム、荷役トラブル、検疫・税関・官憲トラブル、ローカルルール、港固有事故の有無等)を収集し各国港の情勢、トラブルの内容、対策方法を把握
  • 過去に経験したトラブル情報の蓄積
  • 港の形状、特性、気象海象傾向把握
  • 寄港する港におけるリスクを洗い出し、充分な余裕をもって情報提供し、必要に応じて具体的な指示を出す
  • 定期訪船時に乗組員の理解度を確認、教育指導
  • 荒天に遭遇する前に気象情報提供
  • 本船が出港するまで適宜モニタリング
  • 必要に応じ実際の港湾情報を船長に聞き取り
  • 管理船でトラブルが起きた場合、全船に通達を出状し注意喚起

海賊や盗難のリスク

  • どの海域でどのような保安事故が発生しているか情報収集
  • 保安レベルの把握
  • 本船の保安体制把握
  • リスクの高い海域へ航行する場合、船長へ情報提供し、注意喚起、適切な保安維持を指示
  • 保安設備の保守状況確認
  • 盗難されやすい場所に対する追加保安措置の検討(堅牢な施錠等)
  • 乗組員教育
  • 船陸合同訓練の実施
  • リスクの高い海域航行中の本船位置モニタリング
  • 訓練の評価を管理船にフィードバック
  • 定期的な乗組員への教育・指導

航海中のリスク

  • 季節・海域特有の航行注意事項把握
  • 航行エリアの気象海象把握
  • 国際条約及び各国航行規制把握
  • 過去事故例、トラブルの蓄積、傾向分析
  • 各海域、季節に応じた漁船、霧、気象海象、海流等の情報を本船に提供、指示
  • 毎日の気象海象把握、荒天に遭遇する可能性がある船に対し注意喚起
  • 荒天遭遇時における手順に従い準備指示
  • 乗組員の規則、規制に対する理解度確認、教育
  • 本船の位置と気象海象をモニタリング
  • 関係船がトラブルや事故に遭遇した場合、また有益な情報を入手した場合、概要及び具体的なアドバイス・指示を管理船に情報提供
  • 定期的な乗組員への教育・指導

PSC ~指摘ZEROを目指し~

管理船の指摘事例だけでなく、各港の傾向、最近のトレンドを把握するべくあらゆる資料を分析。
繰り返す指摘事項に関しては、会社のシステムに不都合がないか? 乗組員が実行しづらい環境でないか? 船だけでなく会社全体の問題として根本的な原因を究明し対応策を立て、年々指摘率を減少させ、指摘ゼロをめざしています。

トラブル対応 
~スピーディーに、ベストな対応を~

迅速に状況を把握し、トラブルによってどのような問題が想定されるか、船舶や乗組員、船主、用船者、相手船、海域、港湾、官憲、規則、気象海象、代理店、業者、保険、船級等あらゆる視点・あらゆる立場に立って考え、的確な指示を出し、被害を最小にとどめるよう心がけています。

必要に応じ現場に急行、事故原因を早期に調査し、速やかに関係各所に連絡いたします。
聞き取り調査及びVDRデータを解析し、あらゆる角度から根本的な原因を究明し、再発防止策を打ち立て、訪船やサーキュラー出状により啓蒙活動をおこなっております。

トラブル対応

~緊急対応訓練~
また、如何なる時も速やかに緊急対応すべく、毎年実のある海陸合同訓練を実施しております。

2016年には、南海トラフ地震を想定した海陸合同訓練を実施いたしました。

南海トラフ地震を想定した海陸合同訓練を実施いたしました

この訓練は緊急時において対策本部設置発動・情報の収集・判断・対応・伝達が円滑に行えること、地震・津波発生時に緊急避難対応を習熟すること、日本南海トラフ地震発生時に被害を受ける可能性がある岸壁構造・避難方法・避難場所を把握することが目的です。

訓練実施にあたり、過去の地震被害状況の収集、管理船が地震に遭遇した場合の被害度合、想定される問題を洗い出し、管理船が頻繁に寄港し、かつ南海トラフ地震時問題になりうる港・海域を想定し、4隻合同で訓練を実施しました。

そして、訓練終了後に問題点を検討し、会社としての地震・津波発生時の行動指針を作成・ポスター掲示するとともに、乗組員に対し緊急時の対応方法を訪船にて教育・指導いたしました。

訓練想定位置図

安全教育 ~高い問題意識をもたせる~

具体的でわかりやすく目に留まるサーキュラーの作成をし、事故・トラブルが起こったら即座に各船に通達を出状することで情報共有しています。

事故を真摯にうけとめ、事故当時のVDR映像を訪船時の教育指導材料とし、一方的な通達だけでなく、訪船にて乗組員と向き合い、何が問題であったか? どうやったら防げるか? 自発的な意見を聞き取り一緒に議論することで当事者意識をもたせ、乗組員自身の能力を高めるとともに、安全意識を向上させることに力を入れています。

安全教育

~事故再発防止・教育実施例~

(1) 着離岸の事故を防ぎ、BTMの意思疎通・コミュニケーションを高めるため、着離岸作業前に船橋にてミーティング実施するための書式"Pre Arrival/Departure meeting order"を活用、月例報告にて実施状況把握

月例報告にて実施状況把握

(2) 夜間着岸時等における岸壁距離の見誤り防止として、レーザー距離計を配布

夜間着岸時等における岸壁距離の見誤り防止として、レーザー距離計を配布

(3) 会社としての着離岸時のタグボート使用基準、速度逓減指針等の操船指針作成し、船橋に掲示

会社としての着離岸時のタグボート使用基準、速度逓減指針等の操船指針作成し、船橋に掲示

(4) 外国配乗会社との連携
現在どのような問題を抱えており、どのような対策をとって乗組員指導しているか、細かな背景を情報共有し、乗船前教育を充実するべく、定期的に外国配乗担当者とビデオ会話をおこなっております。

運航管理部員 社員インタビュー